Saturday, June 26, 2010

梅雨



梅雨の季節。
同時に細菌による食中毒が急増する季節。
カンピロバクター菌によるチキン,ブタ肉類の汚染,卵のサルモネラ菌,
牛肉の病原性大腸菌汚染などです。ただし腹痛,嘔吐,下痢がくるまで
の潜伏期間が2〜7日と少々長い。
エンテロトキシンを産生するブドウ球菌による食中毒(雪印乳業のミルク
汚染事故)では,汚染された食べ物を食したあと数十分〜数時間で発病。
                                       

Friday, June 11, 2010

腸チフス・ワクチン

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腸チフス
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病原体: 腸チフス菌(Salmonella typhi )
症状:  高熱,下痢,粘液血便。
感染経路:腸チフス菌に汚染された飲み水,食べ物の摂取。
ーーーーーあるいは保菌者との接触。
発生頻度:日本を除く東アジア、東南アジア、インド、中東、東欧、中南米、
ーーーーーアフリカで流行を繰り返している。わが国では1990 年代に入ってからは
ーーーーー腸チフス・パラチフスを併せて年間約100例程度で推移。そのほとんどは
ーーーーー海外からの輸入です。
ワクチン:日本では製造販売されていません。

ーーーーー1)生ワクチン:Typhoid Vaccine Live Oral Ty21a
ーーーーーーーーーーーーー商品名:Vivotif Berna (Swiss Serum and Vaccine Institute)
--------------------ーーーーー-6才以上に投与。

ーーーーーーーーーーーーー1回1カプセルを食前1日目, 3日目, 5日目 7日目と計4回。
ーーーーー2)不活化ワクチン:Typhim Vi (Pasteur Merieux) を1回接種。
ーーーーーーーーーーーーーーー2才以上。2年おきに接種。




ご質問
〒755ー0097
山口県 宇部市 常盤台1丁目20−2
上宇部こどもクリニック 萩原啓二 
電話: 0836-29-1155
Fax:  0836-29-1156
E-mail: keijihagiwara@gmail.com

ヘルプアンギーナ:夏の喉かぜ

ヘルプアンギーナとは,夏の喉かぜの1種です。

1)流行季節:夏

2)年齢:  幼児〜小児
3)症状:  高熱が3〜5日つずき,口蓋垂(喉チンコ)に水泡が
ーーーーーーーでき痛みありますが咳,鼻水はありません。
4)病原体: エンテロウイルス(コクサッキーウイルスなど種類が多い)による

ーーーーーーーおこるので,何回となく罹る子供さんもいます。


田植え

私の診療所の土地は,元々畑で借地しています。後ろは田んぼです。
今日,田植えがありました。今年は天候不順で苗の植え付けが遅れて
います。


                                       

Thursday, June 10, 2010

手足口病とは?

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手足口病
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1)症状 :手,足の裏,膝,お尻に水泡ができますが,痛み,かゆみは
-----------------ほとんどありません。ただ,口の中できるアフタは痛い。
-----------------みずぼうそう(水痘)の水泡よりは小さく固いもの。
------------------発熱は個人差があります。
2)流行時期:夏
3)罹患年齢:乳幼児,幼稚園児,小学生
4)病原体 :コクサッキーウイルス5,10,16,エンテロウイルス71など
------------------何種類ものウイルスで起こるので,何度も罹ることあります。

5)合併症 :通常は1週間前後で治癒します。ただしエンテロウイルス71
-----------------が原因の時は髄膜脳炎,ポリオ様麻痺をおこし死亡することも
----------------あります。2008年4~6月にはEnterovirus71による手足口病
----------------中国安徽省を中心に流行して30名以上が死亡。
a) 手のひらの水泡
b) 口腔内の水泡

c) 膝の水泡



d) お尻の小さい水泡
                                       


参考)国立感染症研究所 ➞ http://idsc.nih.go.jp/disease/hfmd/about.html

質問,問い合わせ先:

〒755ー0097
山口県 宇部市 常盤台1丁目20−2
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Wednesday, June 9, 2010

ヒブワクチン,肺炎球菌ワクチンの接種時期と受け方

1)ヒブワクチン(ヘモフィルス・インフルエンザ桿菌の予防)の接種回数は
ーー次のようになってます。乳児のなるべく早く,3種混合ワクチン(DPT)
ーーとの同時接種をお薦めします。
接種回数:              
①生後2か月以上〜7か月未満:3回接種(4〜8週間隔),1年後に追加接種
②生後7ヵ月以上〜1才未満 :2回接種(4〜8週間隔),1年後に追加接種
③1才以上〜5才未満    :1回接種。


接種料金:1回=7,500円(4,000円の補助が宇部市ではあります)
希望される方は電話予約:0836−29−1155して下さい。
肺炎球菌ワクチン(プレベナー)とも同時に接種されることを推薦します。




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参考:アメリカで推薦されている接種スケジュール
ーーー生後2ヵ月: DPT,ヒブ,肺炎球菌,ポリオ(注射です),ロタウイルス(経口)
ーーー生後4ヵ月: DPT,ヒブ,肺炎球菌,ポリオ,ロタウイルス
ーーー生後6ヵ月: DPT,ヒブ,肺炎球菌,ロタウイルス
ーーーーーー1才: MMR,水痘
ーーー1才3ヵ月: ヒブ,肺炎球菌
ーーー1才6ヵ月: DPT,ポリオ
ーーーーーー5才: MMR, DPT,ポリオ
ーーーーー12才: DPT, Meningococcal, HPV(girls)
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2)プレベナー(肺炎球菌ワクチン)







乳児のなるべく早く,3種混合ワクチン(DPT)との同時接種をお薦めします。
接種回数)
①生後2ヵ月〜7ヵ月未満:3回接種(1ヵ月間隔),1才すぎに追加接種。
②生後7ヵ月以上〜1才未満:2回接種(1ヵ月間隔),1才すぎに追加接種。
③1才以上〜2才未満:2回接種(2ヵ月間隔)。
④2才以上〜9才以下:1回接種。


接種料金)自費で9,800円/1回。現在,宇部市では公費負担ありません。



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Monday, June 7, 2010

肺炎球菌ワクチン:ニューモバックス

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肺炎球菌ワクチン
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商品名 :ニューモバックス  ( MERCK & CO., INC. PNEUMOVAX 23, )
輸入販売:萬有製薬
成分  :23種類の肺炎球菌の莢膜中に存在す るポリサッカライド
ーーーーーを各型あたり25μg ずつ(総計575μg)含有する。 
ーーーーー肺炎球菌莢膜型(デンマーク式命名法): 1、2、3、4、5、6B、
ーーーーー7F、8、9N、9V、 10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、 
ーーーーー19A、19F、20、22F、23F、33F 
接種対象:2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高 いヒト。
ーーーーー1)脾臓のないヒト,脾機能不全である患者 
ーーーーー2)鎌状赤血球疾患、
ーーーーー3)髄液漏
ーーーーー4)心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病等の
ーーーーーーー基礎疾患のある患者。 
ーーーーー5)高齢者。 
ーーーーー6)免疫抑制作用を有する治療が予定されている者で治療開始ま 
ーーーーーーで少なくとも14日以上の余裕のある患者。 

用法・用量:1回0.5mLを筋肉内又は皮下に注射。

注意:   乳幼児には,この肺炎球菌ワクチンを投与しても免疫ができにくい。
ーーーー商品名:プレビナー ( Prevnar )という肺炎球菌ワクチンを接種します。


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Wednesday, June 2, 2010

麻疹:1991年の小流行(山口県)

1)山口県の麻疹流行(1991年):
ーーーーーー1991年5月に小流行のピークがありました。それ以来,山口県内
ーーーーーーでは,一部の地域での散発を除いて,麻疹の流行はありません。


ーーーーーーこのことは,1才時の麻疹ワクチン(生ワクチン)で獲得する
ーーーーーー免疫がその後ブースター効果がかからないことを意味します。
ーーーーーー
接種後5〜6年を境に免疫が急速に低下します。小学校入学前に
ーーーーーーMRワクチンとして再接種するのはそのためです。


-------------------------------------山口県の麻疹患者報告数(1991~1993)-------

2)麻疹の合併症
ーー1991年度,麻疹の小流行の際に見られた麻疹の合併症。
ーーーーーーーー宇部市にある山口大学医学部小児科に入院したデータ。
ーーーーーーーーーi) 肺炎をおこして入院したのは,ほとんど乳幼児で
ーーーーーーーーーー人工呼吸管理したものが1名。
ーーーーーーーーーii) 脳脊髄炎は1才〜13才で全例が後遺症なく回復。






ご質問は: 
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麻疹:16才

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麻疹:16才
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次の麻疹の例は,1才時に麻疹ワクチンを接種してましたが,免疫が
なくなった為に発症しています。

1月14日より発熱
ーー17日 顔→ 体→ 四肢へと発疹
ーー18日 高熱もつずく為に病院を受診。結膜の充血(+),入院する。
ーーーーーーWBC 2,700(44%band. 22%seg, 20%lym.14% mon),CRP=3.3mg/dl
ーー19日 写真をとる。

ーーーーーーーー①コプリック斑(消えかかってます)
ーーーーーーー②前胸部の発疹
ーーーーーーー③前胸部の拡大写真ー
1月20日  腕の発疹


1月23日 解熱しはじめる。
1月26日 退院。


退院時の皮膚の色素沈着



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Tuesday, June 1, 2010

麻疹:4才

麻疹の経過例(4才,男)ーーーー 中耳炎,肺炎などのなく経過したもの。





ーーーー第1病日:発熱
ーーーー弟2病日:発熱,咳,鼻水あり
ーーーー第3病日の終わり:コプリック斑出始める
ーーーー弟4病日:コプリック斑が鮮明。
ーーーー弟4病日の終わり:顔から発疹ではじめる
ーーーー弟5病日:発疹が上肢,胸から下方に拡大。WBC 7,000(Lym39%,
ーーーーーーーーー Mon9%, Seg 45% ,Band7% ), CRP 0.43mg/dl.
ーーーー弟6病日:発疹のピーク
ーーーー弟8病日:解熱。WBC 5,900(Atypical cells 36%, Lym 44%, Mon2%, Band5%, ーーーーーーーーーEos4%)
ーーーー弟9病日:皮膚の色素沈着が始まる。






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はしか(麻疹)とは?

1997(平成9年)に宇部市で開業しましたが,はしか(麻疹)は1999(平11)年
を最後に患者を見ていません。

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はしか(麻疹)
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病原体: 麻疹ウイルス
潜伏期間:7〜14日。
感染経路:患者との直接接触ないし患者のクシャミを吸う呼吸感染。
発病率: 免疫がない時に,患者と接触したらほぼ100%発病。
経過: 


コップリック斑:発熱して3日目頃に頬の粘膜にカンジダ感染に似たが出現。
発熱4〜5日ぐらいに小発疹が顔面から全身に拡大。咳が出てきて,
結膜炎になり,顔が”くしゃくしゃ”の哀れな顔になります。
6〜7日目以降にはほぼ熱がなくなり皮膚に色素沈着を残します。

麻疹の合併症: 
1)肺炎:  肺炎球菌,インフルエンザ菌などによる二次性肺炎で乳幼児に多い。
ーーーーーーー麻疹ウイルスによる間質性肺炎は稀におこる。
2)中耳炎:  経過中に細菌による2次感染で小児ではよくおこります。
3)脳脊髄炎:小学生以上で麻疹の回復期に起こる。
ーーーーーーーー直腸膀胱障害,歩行異常で見つかります。
ーーーーーーーー後遺症なく回復します。
4)麻疹脳炎: 1/1,000ぐらいの頻度ですが予後不良。
5)角膜炎:  ビタミンA欠乏症のある地域でおこる。
6)クループ: 急性喉頭気管支炎
7)SSPE:   極めて稀におこる脳炎


麻疹ワクチンの効果
ーーーーーーーー1才の時に麻疹ワクチンを接種しますが,6〜8年過ぎると
ーーーーーーー免疫が低下して罹る子供さんが出てきます。個人差があり
ーーーーーーーーますが,不完全に免疫が残っているために,麻疹の典型的な
ーーーーーーーー臨床症状が出ません。お医者さん泣かせですから,血清診断
ーーーーーーーーをして確かめる必要あります。

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