写真)皮膚に付着した黄色ブドウ球菌(Dennis Kunkel Ph.D., Dennis Kunkel
---------- Microscopy, Inc. Kailua,HI)
写真)新生児のブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の頚部皮膚の発赤と表皮剥離。
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ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
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黄色ブドウ球菌は子供のとびひ(伝染性膿痂疹),あせものより(汗腺膿瘍),
皮下膿瘍の原因ですが,これは少し変った毒素をだす黄色ブドウ球菌による
伝染性の病気です。
症状)新生児、乳児で目の周り、口唇周囲、首、腋下、そけい部などに小膿胞
ーーーがでてタダレ、その周囲の皮膚は真っ赤になります。しばらくするとそ
ーーーの周りの皮膚が,火傷のあとのようにぺローリと一皮きれいにむける病
ーーー気があります(写真)。
病原体)医学用語ではSSSS(= Staphylococcal Scalded Skin Syndrome
ーーーー= ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)略して4Sといい、表皮剥離毒素を
ーーーーだす黄色ブドウ球菌によっておこります。メチシリン耐性黄色ブドウ
ーーーー球菌(MRSA)であることが多い。
感染経路)手洗いや部屋の消毒をいくら厳重にしてもこの病気の流行を食い止
ーーーーーめることはでません。黄色ブドウ球菌はヒトの鼻腔に住みついて
ーーーーーコロニーをつくり ヒト→ヒトへと感染伝播。成人は毒素に対して
ーーーーー免疫があるために発症しません。 新生児、乳児は免疫がないので、
ーーーーーこのブドウ菌のだすexfoliative toxin で皮膚の表皮剥離をおこします。
ーーーーーー写真)PCR法による表皮剥離毒素の遺伝子A, Bの検出。
山口大学医学部臨床検査部:水野先生
治療) 皮膚の消毒,分離された黄色ブドウ球菌に感受性ある抗生物質の投与
ーーーーで完治します。
医療従事者へ)気をつけて下さい。新生児のブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
ーーーーーーーは小児科医からの集団感染例があります。
→ 1986年にロンドンの小児病院 Guy`s Hospitalで発生した新生児SSSSの
----アウトブレイクについての論文:Dancer SJ.,Simmons NA., Poston SM.,Noble WC:
----Outbreak of staphylococcal scalded skin syndrome among neonates .
----Journal of Infection 16:87-103,1988.
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