Tuesday, September 6, 2011

ペスト

ペスト菌Yersinia pestisのコロニー:ヒツジ血液寒天
培地で2日培養Public Health Image Library,CDC
ペスト菌Yersinia pestisのコロニー:チョコレート寒天
培地で24時間培養 ( Public Health Image Library,CDC)
ペスト菌Yersinia pestis:蛍光抗体法Public Health Image Library,CDC

1)ペストの病原体:エルシニア・ペステス(Yersinia pestis)。
                                        グラム陰性桿菌で多型性。
2)感染経路:菌に感染した野ネズミなどのげっ歯類に寄生したノミに咬まれる。
                            稀には肺ペスト患者との接触感染。
3)ペストの分布:
ーーー→ 土色:ペストの報告ある国,赤色:動物にペストが発生している地域
-------- Centers for Disease Control and Prevention
4)病気の型:1〜6日の潜伏期間。
                        ア)腺ペスト:発熱,腋下リンパ節,腕やソケイ部リンパ節腫大,痛み。
ーーーーーーーーー発症後3 ~4 日経過後に敗血症を起こし、その後2~3日以内に死亡。
                        イ)肺ペスト:肺炎をおこしたもの,発病後12~24時間で死亡。
                        ウ)その他に咽頭型,髄膜炎型,敗血症型(全身に菌)がある。
5)治療:ペストの治療には抗菌薬が非常に良く効くため、早く治療さえすれば
     治癒する。肺ペストの場合は病気の進行が極めて速いので、抗菌薬の
     早期の投与が必須である。以前はテトラサイクリンとストレプトマイシン
     が使用されたが,ニューキノロン系の抗菌薬(レボフロキサシン、
      スパルフロキサシン)が優れた抗菌力をもつ。
6)ペストのワクチン:
   不活化ワクチンで3回接種(0,1か月,6か月)。検疫所にあります。
   ただし肺ペストの予防に対する有効性は証明されていません。また、ペスト菌に
   接触してからのワクチン接種は発病予防のためには役立ちません。
   ペスト菌に接触した可能性のあるヒトには、抗生物質の予防的投与が勧められて
   います。アメリカ合衆国では、抗生物質の予防的投与としては、Doxycycline
   あるいは、Ciprofloxacinで、7日間の投与が勧められています。


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