Saturday, January 29, 2011

髄膜炎菌による病気と髄膜炎菌ワクチン

喀痰のグラム染色:髄膜炎菌(Neisseria meningitidis )
直径0.6~ 0.8μm、グラム陰性の双球菌。
                                 
1)感染経路:くしゃみなどによる飛沫感染により伝播し、気道を介して血中に入り
ーーーーーーー敗血症、さらには髄液にまで侵入し髄膜脳炎を起こす。

-------------------健常者の鼻咽頭からも分離される。日本人の健康保菌者は約0.4%程度
ーーーーーーーヒト以外からは分離されない。
2)血清型:13種類(A, B, C, D, X, Y, Z, E, W-135, H, I ,K, L)に分類される。
ーーーーーー起炎菌として分離されるものではA, B, C, Y, W-135が多い。
3)流行:


-------------------アフリカの髄膜炎菌性髄膜炎の多発地帯------------
ーーーーA群:アフリカでは圧倒的に多く、ベトナム、ネパール、モンゴル、ブラジル
ーーーーーー でも流行。
ーーーーB群:ヨーロッパで多い、
ーーーーC群:米国、ヨーロッパに多く見られ,1998年にはイングランドで髄膜炎1,500名
ーーーーー ー以上が発症して150人が死亡。
ーーW-135群:2000年から2001年にかけては、メッカへの巡礼者を介して流行し、
---------- ------世界で患者約400人、死亡者約80人の犠牲者を出したとされている。

ーーアメリカ:A, C, Y, W群:311 例,B群:190例,その他:31例,不明:648 例
ーーーーーーー-------- (髄膜炎と敗血症など合計したもの,2006年)
ーーーー日本:戦後は年間約4,500名の髄膜炎患者発生した年もあったが,その後は

ーーーーーーー激減。1985年以降は3名〜27名/年の髄膜炎患者の報告(B群が多い)が
ーーーーーーーある。
フィリピン:2004年10月から2005年1月にかけて髄膜炎菌による患者98人、死者32人。
ーーーー中国:2005年1月安徽省を中心に髄膜炎の感染者が続出し患者258人、死者16人
ーーーインド:2005年3月下旬から5月下旬まで髄膜炎菌による患者が368人で死者が37人

4)ワクチン:
ーーi) C群髄膜炎菌用ワクチン:英国では1999年11月から、その他、ベルギー、
ーーードイツ、ギリシャ、アイルランド、オランダ、ポルトガル、スペイン、
ーーーカナダで認可された。
ーーii) A群C群Y群W135群に対する4価のポリサッカライドワクチン
ーーー(MPSV4 :Meningococcal Polysaccharide Vaccine, Groups A, C, Y, W135 Combined; 
ーーーMenomune-A/C/Y/W-13, Sanofi Pasteur)
ーーiii) A,C,Y,W135群に対する4価の結合型ワクチン-----------

-----------(MCV4 : tetravalent meningococcal polysaccharide-protein conjugate vaccine;
-------------;-,Menactra,™ Sanofi Pasteur) 
---------2005年1月米国で認可。接種対象:2才〜55才(特に11〜18才は接種奨励)


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