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ダニ媒介性脳炎
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1)病原体:ダニ脳炎ウイルス(Tick-borne encephalitis virus),ヨウロッパ型,シベリア型
ーーーーーーなど幾つかのサブタイプがある。
2)病名:ロシア春夏脳炎,中央ヨウロッパ型脳炎,キャサヌール森林熱,オムスク出血熱
ーーーーーポアサン脳炎などの病名がある。
3)感染経路:
ーーーーーーーi) 森林地帯でダニ脳炎ウイルスに感染したマダニに咬まれる。
ーーーーーーーーーダニは野ネズミ,ヤギ,牛,馬,犬に寄生し,これらの動物もウイルス
ーーーーーーーーーを保有している。
ーーーーーーーii) 感染したヤギの生乳を滅菌せず飲用した時。
4)患者発生状況2001年度(北海道大学獣医学,高島郁夫の報告):
ーーーーーーーーーロシア(6399名),チェコ(411名),ラトビア(303名),リトアニア
ーーーーーーーー(298名),ドイツ(253名),エストニア(215名),スエーデン(128)
ーーーーーーーーースイス(108名),オーストリア(54名),フィンランド(33名),
ーーーーーーーーーイタリア(19名)
ー発生の報告のない国:ベルギー,ルクセンブルグ,オランダ,アイルランド,スペイン
ーーーーーーーーーーーーポルトガル,イギリス。
ーi) 2001年,61才の日本人男性がオーストリアに住む娘さんを訪ねたが,6月2日に
ーーーー田舎でダニに刺され,19日に髄膜炎で入院,その後脳炎に進展し死亡。
ーii) 1993年10月北海道渡島支庁管内の酪農家の主婦が高熱,頭痛,嘔気,複視あらわれ
ーーーー入院。歩行障害,けいれんも出現し人工呼吸。治癒したが,上肢と頸部の
ーーーー麻痺が残った。
5)予防:上記の汚染国で森林地帯で活動する場合は,それぞれの国に到着後に,
ーーーーー現地の医師に相談しワクチンを接種すること。
6)ワクチン:商品名で
Encepur(Novartis, germany) とFSME-Immun(Baxter, Austria)の
ーーーーーーー2種類がある。いずれも初回免疫は3回接種する必要があります。
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